句集
金久美智子 「踏 繪」(1988年) 牧羊社 踏繪てふことあり足を拭ひをり
金久美智子 「朱 鷺 色」(1993年) 本阿弥書店 母のみが朱鷺色といふ蓮咲けり
田川 江道 「河岸段丘」(1995年) 本阿弥書店 彫り深き河岸段丘雪つもる
福田 孝雄 「海 坂」(1995年) 本阿弥書店 海坂のまた暗みたる厄日かな
柳原天風子 「驢馬ほどの山羊」 阿野露団 木の根積まれ馬に鞭打つ黒い少年
柴崎 節子 「風 花」(1997年) 本阿弥書店 夜雪積むこのしづけさに夫寝落つ
大島千鶴子 「巴 里 祭」(1997年) 邑書林 ダンディーな亡き父恋し巴里祭
村田 昭子 「綿 菓 子」(1998年) 朝日新聞社 綿菓子のつぎつぎふくれ春の昼 *装丁は作者の織った紬
猪狩ひさし 「阿 武 隈」 氷室俳句会 減反の小さき荒野に火を放つ
本庄百合子 「伎 芸 天」(1999年) 朝日新聞社 大津絵の鬼が臍出す酷暑かな
松島 敦 「有 明」(1999年) 朝日新聞社 鶺鴒の風と消えたり子の遠し
加島 真琴 「カレンダー句集」(1999年)
平 中矢 「い し じ」(2000年) 角川書店 世界平和の礎たるべし沖縄忌
坂本 龍男 「騎馬武者」(2000年) 本阿弥書店 まじまじと見て涅槃図の中にゐる
加地 紫陽 「旦 暮」(2001年) 本阿弥書店 一世紀おほかた生きし鳥曇
前田 攝子 「坂」 朝日新聞社 坂上りきれば我が家よ時鳥
田川 江道 「曙 光」(2001年) 本阿弥書店 曙光いま左義長の火のおとろへる
秋本ひろし 「棗」 富士見書房 棗の実びつしり空を閉ざしけり
金久美智子 「澍」(2002年) 本阿弥書店 夜桜を見にと男を募りけり
森光ゆたか 「春夏秋冬」(2003年) 文学の森社 立春の空を祓ひて棟上がる
金久美智子 「氷 室」復刻版(2003年) ウエップ 荷車の轅沈めて草枯れぬ
尾池 和夫 「大 地」(2004年) 角川書店 一日を使ひきつたる夏椿 表紙 帯の10句
金久美智子 「爽 旦」(2004年) 角川書店 風花や比叡にかへる人とゐる
田川 江道 「依 然」(2005年) 文學の森 魔の岳を源流として雪解川
津波古行徳 「阿 檀」 朝日新聞社 曝書して布令布告集捨てきれぬ
三宅 若水 「若 狭 路」(2005年) 文學の森 昨日今日魦ぐもりと云ふ若狭
松島 敦 「普 賢 岳」(2006年) 文學の森 菜の花の月夜となれり干拓地
斎藤もとじ 「踏 青」(2006年) 文學の森 歩まねば老ゆるばかりや青き踏む
藤田 晴 「年 輪」(2007年) 東京四季出版 鰯雲八十路の先は読みがたし
平 中矢 「琉 球 弧」(2009年) 角川書店 銃を三味に替へて耕す家郷の畑
みつみね俳句会 「つきよの」(2011年) 文學の森 大寒や瞭然として山の襞
金久美智子 「くれなゐ深き」(2012年) 角川学芸出版 孤高とはくれなゐ深き冬の薔薇
前田 攝子 「晴 好」(2013年) ふらんす堂 虫売に風の出てくる日暮かな
坂本 康雄 「ななくさ」(2013年) ななくさの沖より昏れて昭和閉づ
尾池 葉子 「ふくろふに」(2014年) 角川学芸出版 ふくろふに昼の挨拶してしまふ表紙 帯の15句
藤田 晴 「続 年 輪」(2014年) 冬北斗国の行方の定まらず
藤田 晴 「年輪総集編」(2017年) 長命に賭けて三年日記買ふ(第三部「続々年輪」より)
尾池 和夫 「瓢 鮎 図」(2017年) 角川書店 元朝を一周したる地球かな 表紙 帯の16句
氷室歳時記 金久美智子監修、氷室同人会編集、2000年3月発行
続氷室歳時記 金久美智子撰、2007年12月1日発行
井深 信男「コンパス」(2020年)青磁社 荒ぶる火天に逃して秋刀魚焼く
尾池 和夫 「尾池和夫集 自註現代俳句シリーズ・13期、3」 俳人協会(2021年)
三和 幸一「宇 治川」(2022年)青磁社 小春日の宇治大橋を渡りけり
宮澤 淑子「宮澤淑子句文集 港のある街」 青磁社 ゆつくりと夏霧はれて港の灯
大島 幸夫「雪解」 青磁社 人去つて川音高き雪解かな
その他の出版物
尾池 和夫 「俳景・洛中洛外ー地球科学と俳句の風景」 宝塚出版(1999年)
尾池 和夫 「続俳景・洛中洛外ー地球科学と俳句の風景」 宝塚出版(2002年)
尾池 和夫 「俳景(三)・洛中洛外ー地球科学と俳句の風景」 宝塚出版(2007年)
尾池 和夫 「俳景(四)・洛中洛外ー地球科学と俳句の風景」 宝塚出版(2013年)
尾池 和夫 「四季の地球科学-日本列島の時空を歩く-」 岩波新書(2012年)
尾池 和夫 「季語の科学」 淡交社(2021年)
文 尾池 和夫 写真 高橋 保世 「瓜生山歳時記」 京都芸術大学出版局 藝術学舎(2023年)
尾池 和夫 「季語を食べる」 淡交社(2024年)