〇観察力を磨きたい方、感動を伝えたい方、日本語を究めたい方、旅を楽しみたい方、作品に名前を与えたい方、俳句をやってみませんか?
〇まずは、類句や類想をおそれず、詠んでみましょう。それからが勝負です。芭蕉は「舌頭に千転せよ」と言いました。これです。何度も声に出してみて推敲します。
〇次に句会です。自信作を句会に投句します。句会では特選句や入選句のいい点を褒めたりしますが、それは句を読んだらわかります。短時間でわかる句が選ばれるからです。
〇大切なのは選ばれなかった句です。なぜ選ばれないのかを考えます。自分で考えることが大切です。選ばれない句の特長は、意味不明であること、歳時記の解説にあること、説明や報告、俳句への勝手な思い込みです。主宰が選ばないのは互選の高得点ねらいの句です。
〇俳句を始める動機はさまざまです。
日記を書くつもりで、
面白いから、
文化的な雰囲気にふれたいから、
妻の代わりに句会に出てから、
だれでも作れそうだから、
俳句人口が六百万人とも七百万人ともいわれているから、
奥深さがあるから、
自己表現したいから、
約四〇〇年の歴史があるから、
素数のリズムが好きだから、
右脳を使うから、
小学校で教えるから、
童心に帰りたいから、
句帳、鉛筆、歳時記、辞書でできるから、
〇俳句の基本は五七五の一七文字、定型詩です。
日本語はひらがなで表される単位の文字が基本的に一音節です。
「季語」「切れ」「定型」が基本です。
基本的に俳句は分かち書きはしません。三段切れは不可です。
俳句の対象は自然と人間です。まずは身近な自然を詠んでみましょう。
氷室俳句会主宰 尾池和夫 略歴
氷室俳句会主宰・公益社団法人俳人協会名誉会員・公益社団法人日本文藝家協会会員
尾池 和夫(おいけ かずお)
1940年 東京生まれ、高知育ち
1959年 大学入学で京都
1993年 『氷室』の「氷室集」に俳句掲載
2004年 第一句集『大地』(角川書店)
2006年10月26日 現代俳句協会全国大会で講演
2009年 氷室俳句会副主宰
2012年7月4日 公益社団法人俳人協会評議員
2012年10月10日から 仏教大学小学生俳句大賞選考委員
2012年10月13日 神戸大学山口誓子記念講演
2017年 公益社団法人俳人協会名誉会員
第二句集『瓢鮎図』(角川俳句叢書)
2018年 氷室俳句会主宰
2018年5月13日 俳人協会大分県支部大会記念講演
2021年5月25日 俳人協会講演 令和3年春季俳句講座「第1句集を読む-師系を超えて(4)」『山信』田中裕明第1句集
俳句関連著書
俳景ー洛中洛外・地球科学と俳句の風景(宝塚出版、一九九九年)
急性心筋梗塞からの生還(宝塚出版、二〇〇〇年)
続俳景ー洛中洛外・地球科学と俳句の風景(宝塚出版、二〇〇二年)
句集 大地(角川書店、二〇〇四年)
俳景(3)ー洛中洛外・地球科学と俳句の風景(宝塚出版、二〇〇七年)
変動帯の文化ー国立大学法人化の前後に(京都大学学術出版会、二〇〇九年)
日本のジオパークー見る・食べる・学ぶ(ナカニシヤ出版、二〇一一年)
四季の地球科学ー日本列島の時空を歩く(岩波新書、二〇一二年)
俳景(四)ー洛中洛外・地球科学と俳句の風景(マニュアルハウス、二〇一三年)
句集 瓢鮎図(角川俳句叢書、二〇一七年)
季語の科学(淡交社、二〇二一年)
自註現代俳句シリーズ13期3(俳人協会、二〇二一年)
など